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初出:2007年5月 6日 09:44

とっても当たり前の話だけど、電力会社から毎月供給される電気は、ほぼ火力もしくは原子力で発電されており、環境に比較的優しいとされる風力や太陽光発電で供給される電力は極めて少ない。電力自由化の流れはあるけれど「うちの電気の50%を風力発電でお願いします」なんて指定はできるわけもない。

それなのに「自宅のサーバは風力発電で動いているんです」なんて言えるのか? という疑問・批判は当然あるとして、そこは人の想像力、もしくはちょっとした叡知なわけですよ。

グリーン電力基金 まず、サーバの消費電力量を月2,000円相当と仮定し、その金額を「グリーン電力基金」(財団法人 広域関東圏産業活性化センター)に支払う。実際に2,000円分のグリーン電力を購入したわけではないけど、購入したってことにしちゃうんです。その2,000円は風力発電や太陽光発電などグリーン電力発電設備への助成金となるので、これが積もり積もればたくさんの発電設備が作られ、それこそ国内の発電量の半分とかがグリーン電力になる可能性すらある。そうなったら大手を振って「家の電力の半分はグリーン電力」と言えるというわけです。そんな未来に対する現実的な投資と捉えれば、とても健康的な基金だと思う。

こうした「投資を行ない、そこで生まれた成果を自分の目的に還元する」という発想。実は京都議定書で定められたクリーン開発のメカニズムと同じなわけです。最初に京都メカニズムの話を聞いた時、世の中にはホントに頭の良い人がいて、こういう人たちが社会の仕組みを作っていくんだな、と感心した覚えがあります。温室効果ガスの排出量を削減したら、それをクレジットとして他国と売買できるなんて、よくよく考えたら買った側の国は排出量を減らせていないわけですよ。金で解決しているようなものです。でも、全体構造の中で排出量を削減するために経済の論理を導入したところがスゴイなあと思うわけです。グリーン電力基金も、まったく同じフィロソフィーを感じますね。

なんだか小難しい話になりましたが、月に2,000円寄付して「うちのサーバはグリーン電力で稼働しているんだ!」と言い張る。なかなか気分が良い話じゃーないですか。

Googleさんは、この記事をこんな風に解釈しました
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