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初出:2007年2月 1日 12:00

Koyaさんとこのブログ「CloseBox and OpenPod」で昨年末に書かれたエントリー「エンジニアから見たビートルズサウンドの真実」。ここで紹介されている書籍「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実」(白夜書房)が面白そうだったので購入しました。いやあ、凄く面白い。これはかつて出た「ビートルズレコーディングセッション」─ ビートルズのレコーディングを全日記録した究極のデータベース本 ─ と一緒に熟読することオススメですね。

著者はジェフ・エメリック。EMI社員としてアビーロードスタジオに入り、まだ10代の頃に『Revolver』のオープニングセッションである「Tommorow Never Knows」からビートルズ・レコーディングにエンジニアとして参加していきなり本領発揮。『Sgt. Pepper's』ではエンジニアという立場でグラミーを獲得し、不毛の始まりだったホワイトアルバムのレコーディングに突入。どうやらゲットバック・セッションにも付き合わされ、『Abbey Road』で再度グラミーを獲得してます。

経歴も面白くて、EMIからビートルズが作ったApple Corpの一環であるレコーディング部門の長に転職。Apple Corp唯一の採算部門として仕事を切り盛りするものの、なんとリンゴにレコーディングスタジオごと奪われ(このエピソードは秀逸)、そのままジョージマーティンが待つエアスタジオへ。すると間もなくしてポールから電話があり『Band on the run』のレコーディングに参加します。なんでもポールはジェフと仕事をしたかったんだけど、Apple Corpに在籍している間は一切のコンタクトを避けていたんだそうで。当時のゴタゴタの中、ポールとしてはApple Corpとは関わりたくないってことだったんですね。いやあ、これもまた秀逸(?)なエピソード。

閑話休題。昨日flickrにアップされたネタであるbeatles shuffle。iPod shuffleは240曲入るので、ビートルズ全楽曲(213曲だっけ)は、あの小さなshuffleに丸ごと入ります。じゃあメンバー毎にサインが入っているのは何の意味? 普通に妄想すると、メンバーそれぞれの作曲曲にセパレートして、あとはソロも入れておけばいいじゃないかってことなんだけど、昨日も上に書いた本をパラパラと読み返していてフと気がついたわけですよ。『Sgt. Pepper's』は4トラック。そうか、それぞれのトラックをそれぞれのshuffleに入れて、再生ボタンを押したら4台が同期しながら再生されると。で、あるshuffleのボリュームを上げると、そのトラックだけ大きく聴こえると。うぉー、気分はもうジョージマーティン!!

ちなみにホワイトアルバムでは部分的に8トラックが導入され、『Abbey Road』では16トラックになっているので、そこまで楽しむとなると、全身いたるところにshuffleを付けて、なおかつケーブルで繋がないといけないのですが、そうした様子もまた、ビートルズ的だよ。…ね? マジック・アレクシス?

Googleさんは、この記事をこんな風に解釈しました
Googleさんは、この記事をこんな風に解釈しました

コメント

warmgun さん [2007年2月 1日 14:09]

かつて、フレイミング・リップスが一つのアルバムをトラック別に4枚組で発売し、4つのCDプレイヤー(当時iPodなんて無かった)を同時に鳴らすことで、初めて曲の全容が把握できるという、常人では想像も付かないようなアルバムを販売したことがございますよ。
これはライブでも再現され、客を4つのコーナーに分けて、トラック別の音源が入ったCDラジカセを渡し、ウェインの指揮にあわせてプレイボタンを押すという、それはそれは紙一重な事をやっておりました。さすがでありますな。

マジック・アレクシス・・・。
奴が今Apple Corps.にいたら何をしていただろう。(笑)

というか、これに行きたい。
https://jmbtour.jal.co.jp/guest/tour/Detail.asp?SPCL=2&BackBtn=none

KenG さん [2007年2月 1日 14:20]

あー、フレイミングリップスのアルバムの話、聞いたことある。それってメジャーレーベルから発売したんだよね? やるなあ。やっぱウェインは変人だ(爆)。

マジック・アレクシスがApple Corpsにいたら「うちらはiPodよりも200g軽くて、5万曲入るプレーヤーを作れるぞ!」って豪語してると思う。ちなみにiPodは重くても157gだけど :P

p.s. リンク先がセッション切れになっているっす。

KenG さん [2007年2月 6日 16:56]

本の中で面白いエピソードがありましてね、「The Continuing Story of Bungalow Bill」(ホワイトアルバムね)の冒頭に流れるスパニッシュなギター。あれってWikipediaを読むと「EMIのライブラリーにあったフリー音源」となっているけど、本によるとジョンが所有していたメロトロンの一鍵盤にアサインされていたサウンドなんだそうです。オっと思い聞いてみると、たしかにあのイントロは7秒でブツっと切れるんです。そう、メロトロンは一回打鍵して再生される音の秒数は最大7秒なんです。いやあ、また役に立たない知識を覚えてしまいましたよ(笑)。

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