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初出:2005年12月27日 14:25

バートバカラック。名前くらいは知っているかな? おや、知らない。では「Raindrops Keep falling on my head」は? おや、ダメですか。じゃあ邦題の「雨に濡れても」だと? いや「雨に歌えば」とは違いますよ。じゃじゃじゃ、実際に聴いてみてください。…ほら、知っているでしょ? 絶対に一度はどこかで聴いたことあるはず。

上に書いたのって、まさに自分がバートバカラックを知ったときのパターンなんですよ。

Gracenote CDDBでは、ジャンルがイージーリスニングに区分されていますが、そんなことは関係なし。古今東西の多くのロッククリエイター、ポップソングライターから絶大な支持を得ている偉大なるメロディメーカー。バートバカラックについて詳しく記述されているブログもあります>【バート・バカラック(Burt Bacharach) :楽しい音楽を聴く♪】

たとえ彼の名前が表に出てこなくても、彼の影響下にある曲を上げたらキリがありません。強いリスペクトも受けていて、最近だと映画「オースティンパワー・デラックス」のワンシーンで唐突にエルビスコステロと一緒に出演。コステロがバカラックの代表曲である「I'll Never Fall in Love Again」を歌ったりしてます。これがなかなか絶品。あと、オアシスの1stアルバムのジャケ写(左端)に、若かりし日のバートバカラックが写ってます。これはノエルの仕業で、ノエルも相当好きみたいですよ。佐野さんの「誰かが君のドアを叩いている」で、起伏に富んだメロディラインが出てきますが、これなんかもとてもバカラックっぽさを感じる良いフレーズだと思います。

あと、「The Best of Burt Bacharach」を聴いて知った驚愕の事実…っつーか、自分の無知をさらけ出してしまって恥ずかしいんだけど、カーペンターズの代表曲「Close to you」って、バカラックの曲だったんですよ。カーペンターズはあまり趣味じゃないんだけど「Close to you」は別格。最初から最後まで、非の打ち所がまったく無いメロディ。そんなメロディを見事なまでに昇華させたカレン・カーペンターの歌声っていうのも素晴らしいです。趣味じゃないけど、聴くたびに唸ってしまいます。

そして、このアルバムを紹介するにあたって、いちばん書きたかったことというのが、バートバカラックは、見事なまでの“ヒーリングミュージック”クリエイターだと思うんです。イージーリスニングのように耳辺りの良い音楽ってわけじゃなく、心辺りの良い音楽。ガサガサした心をそっとトリートメントしてくれるメロディ。ここ数日、まさに心がガサガサしまくっていたけど、このアルバムを聞き返したときに、フっとしたところで心が洗われる感覚に包まれました。一瞬だけ救われたーって感じ。まあ、確かにデパートのBGMでヤンワリと流れているようなアルバムでもあるので、イージーリスニングっていっちゃえばそれまでですが、そのメロディにきちんと耳傾けると良い効用があると思いますよ。

Googleさんは、この記事をこんな風に解釈しました
Googleさんは、この記事をこんな風に解釈しました

コメント

ponty さん [2005年12月27日 21:58]

バート・バカラック(Burt Bacharach)
http://music-review.info/article/9308262.html
へのトラックバック及び文章中のリンクありがとうございました。

バート・バカラックの魅力を挙げたらきりがないのですが、「close to you」はすごく好きなナンバーです。すごく明快なポップスなのに非常に奥行きがある。そんな気がします。こんなにも解釈がやさしいのに飽きの来ない曲があるのだと感心したのを思い出します。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

KenG さん [2005年12月28日 14:26]

そうですね。最近のポップ音楽で、バカラックのような明快で奥深いメロディを紡ぎ出す人があまり目立たない(いないわけではないと思いますが)のは、ちょっと物足りないですね。リズムやビートの研究・開発は日々行われているのに対して、メロディはそうでもないっていうのが残念な気がします。

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