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初出:2005年4月19日 23:54

Adobe Mm-1

ついにアドビがマクロメディアを買収した。これってもう何年の前から昇っては消えていく話題だっただけに、なぜ今頃!? という印象もある。まあ、一時期はアドビも調子が悪いときもあったし、マクロメディアの資産価値も「?」ってときがあったので、両者とも比較的順調であろう今こそが、タイミングとしては良かったのかもしれない。しかし、マクロメディア社員ってアドビを目の敵にしているところがあるからなあ。心情的にはどうなんだろう…。

さて、プレスリリースの中には「補完的な機能を持つPDFとFlashとを組み合わせる」と書かれている。技術面で見ても、両方とも根っこのところはベクターグラフィックスをベースにした技術であり、ビットマップファイルについても、PNGやJPEG2000など対応フォーマットこそ違えど、根本的な部分ではそれほど大きな違いは無いだろう。一方、PDFには軽量型のフォントエンベッド技術やカラーマッチングがあったり、Flashではムービーがハンドリングできたりと、やはり補完する部分が多い。

では、技術的にどちら側に寄るか? とつらつら考えてみると、エンジニアでは無いので素っ頓狂な意見かもしれないが、やはりPDFに寄っていくんだろうと思う。アドビの根幹は依然としてPostScriptであり、PDFはその発展系。ここの部分を変えてまでFlashに迎合するとは思えない(Flashの対抗馬としてSVGを担いで玉砕した過去はあるが…)。PDFは割と懐の広い規格なので、ベクターアニメーションやインタラクティブ性、Action Scriptといった部分も包括していくのではないだろうか。

Macユーザという立場で考えると、そのほうがメリットが大きい。Mac OS X用Flashプラグインって相変わらず動作が重い。インプリの精度だったり、Quartzへの対応といったところで改善の余地がありそうだが、それよりもPDFへ寄ってもらったほうが、Mac OS Xの深い部分で統合され、Action Scriptやムービーのハンドリングの部分は、すでにFlashトラックとしてAction Scriptをサポートし、FlashムービーのエンコードであるSorensonをネイティブでサポートしているQuickTimeとの連係が、十二分に考えられる。さらにQuickTime 7は、それまでのQuickDrawではなくQuartzの上に置かれることになるので、PDFと動画の相性も高くなるんじゃないかな。

このシナリオどおりに進めば、あっぱれ。でも、そうなったとしても、我々にとって恩恵が出てくるのはかなり先になりそう。あ、そういえばLonghorn(Windowsの次期バージョン)ではAvalonというグラフィックエンジンを搭載し、そこではベクターアニメーションの仕組みが用意されているってことで、Flash対抗の意味合いも強い。やっぱりMac OS XにはPDF + Flashへ寄っていってほしいところだ。

Googleさんは、この記事をこんな風に解釈しました
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