最初の一回を聴いて、これは名盤と確信。続いて2回目聴いて、グングン引き込まれて行くスルメ性も高し。マーク・ノップラーというと、ちょっとスノッブ的なイメージが強い人かもしれないが、巧妙なメロディセンスをもち、ストーリー性の高い詞を書く優れたソングライターだ。ちょっと嗄(しゃが)れた声と、独特の抑揚ある歌い回しで、ダイアーストレイツ時代からディラン直系と言われていたが、このアルバムでは歌い方はそれほどでもなく、それよりも音の作りがディランの「Oh! Marcy」あたりの重厚感に近い。つまり、ダニエルラノワっぽい音像というわけ。そして、よく練り込まれた、流れるような演奏といい、完全なフィンガーピッキングで流麗なソロを決めるところも相変わらず。とにかく表情豊かなサウンドが気持ちいい。ちなみに、6曲目の「Our Shangri-La」。イントロのオルガンが、一瞬「Walk of Life」かとドキっとしたぞ…ということで、ダイアーストレイツ的なエッセンスも入ってます。
アルバムタイトルにもなっている「Shangri-La」は、実は60年代から存在するスタジオの名前で、ディランやThe Band、ニールヤングなどが出入りしていたスタジオで録音されたという。
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