何はともあれ、ここから話を始めねばなるまい。2011年10月18日の出来事。
向こうの15時に会見スタートってことは、あと30分後かっ!? @masakiimai Stone Roses set to announce comeback tour today - http://mirror.co.uk: http://www.mirror.co.uk/celebs/music/2011/10/18/stone-roses...
歓喜の涙を流しながら Ten Story Love Songを夜中に歌う準備なう。あー緊張してきた。レニが会場に入ったってホントか? #StoneRoses
キターーーーーーーーーー! Reni!!!! > They're here! Ian Brown, John Squire, Mani and Reni have entered the room. It's really happening!
やったぁぁぁぁ!!! ホントに待ってたんだよぉぉぉぉ! #StoneRoses
2012/6末にマンチェスターでギグやって、その後にワールドツアーもやって、新曲も用意されているってさ! #StoneRoses
うちもNowPlaying。ああこのドラムがまた聴けるのかー! RT @masakiimai: はい、たった今この瞬間に再結成を信じます!(笑)ついにこの時が来た! "I Am The Resurrection" by The Stone Roses ♫
へ?来年6月のチケットを今週末に売り始めるの!? 瞬殺だろー。#StoneToses
んん? 再結成ツアーは来年の秋の終わりまでは続けるだろうって、意外と短いの?
もう絶対 I wanna be adored 大合唱だよ。RT @masakiimai: 今英国のパブ行ったらローゼス大合唱間違いない。RT @keng_jp: オレは俄然飲みたいパターンになってきました。ちかくにパブないかなぁ。あ、パブロック聴かなくちゃ(爆)
#StoneRoses の新Webページサイト、キターーーーー! http://www.thestoneroses.org/
この4人が並んでるショットを見るだけで、涙腺決壊してます。ホント泣けてきた。RT @daigolife: うわぁぁぁ!!!RT @keng_jp: #StoneRoses の新Webページサイト、キターーーーー! http://www.thestoneroses.org/
だってさぁ、マンチェのバカ兄弟んとこ以上に兄弟のような二人だったんだもん...。うわぁぁぁん RT @masakiimai: この公式の写真ヤバイよ。イアンとジョンの微笑む姿。あれだけ大げんかしてた二人。マジで泣ける!http://www.thestoneroses.org/
それまで何年も何年も、再結成の噂が出てはメンバーがあらゆる手段を使って完膚なきまでに否定する繰り返しだった。メディアを介して行われるイアンとジョンの舌戦は面白いんだけど、読むたびに再結成はないな...と落胆させられた。
それがこの日、すべての落胆がオセロの駒のようにスカっと引っくり返されたんだから、今読み返しても泣けてくる。こんな奇跡、そうそうないって。自分でもたかだかロックバンドにそこまで思い入れるか?と冷静に考えもするが、ストーンローゼズが復活するという高揚感はどうにも理屈じゃ解けないものなんだから仕方がない。
あれから半年以上を経て、ようやくフジロック'12がやってきた。 2012年7月27日。今年のフジは暑かった。そして初日にして人がやたらと多い。リストバンド交換、ビールや食べ物、トイレ、どこに並ぶにも時間がかかる。話によると、二日目、三日目はさらに人が増え、フジロック史上最大のオーディエンスだったというんだから、今年のフジロックは何かがスペシャルだったんだろう。
ボブ・マーレィにギターを教えたというジャマイカン・レジェンド、Ernest Ranglinを見る。紛れもなくリアル・レゲェ、リアル・ジャマイカ。インプロビゼーション主体の穏やかで陽気な演奏。こういう音楽を聴いてたら、世の中に心荒ぶるような出来事なんて何もないと思えてくる。
いよいよBeady Eye、そしてThe Stone Rosesというマンチェスター師弟バンドによるメインイベント。本来ならOasisが前座をやるべきなんだろうけど、ノエルが二日目トリってことで、点と点とを結びつけるのは観客の想像力にお任せってことなんだろう。
Beady Eyeは去年の秋にZeppで観たときよりもバンドの音が締まっていた。アンディのギターの役割が増して、ジョン・レノンのような風貌のゲムがバンド全体をコントロールするというのが明確になってたし、リアムの調子もよい。グリーンステージのような大きな野外で聴くと、かなりOasisのサウンドになるのが面白い。それでも、「"One and only"なMr.ノエル・ギャラガーに捧ぐ」と意図の汲み取りづらいMCのあとで演奏された「Rock'n Roll Star」は、まんまOasisと思いつつもアンディがノエルよりも上手いギターソロを鳴らすと、あぁバンドとして成長してるな...と思えてくる。「The Roller」はやはり良い曲だし、披露された新曲はファーストの曲よりもシックリくるサイケデリック・ナンバーだったし、「Morning Glory」は完璧なキラーチューンとして会場を盛り上げた。リアムは最後に「Enjoy The Stone Roses」と言ってステージを去ったのを見て、十分に良い仕事をしたなって感じ。
さて後一時間待てばいよいよローゼズだ。ステージセットの設営は意外に早かった。YouTubeで見慣れた横長ワイドのステージ背面スクリーンはササっと組み上げられ、楽器数が少ないせいか、サウンドチェックも30分前には終わってた。みんなでモッシュピットに入ってステージ至近距離で待つことわずか。シュープリームスの「Stoned Love」が爆音で鳴り響く。会場は一気に盛り上がる。ふと後ろを見るとグリーンステージが人で溢れてる。日本でローゼズを待っていたのがこんなにいるというののは興奮した。
そして割れんばかりの歓声が起こり、飾ることなく普通に4人がステージに現れる。楽器をセットして定位置に着く。広いグリーンステージを持て余すかのようなたった4人。楽器はドラム、ベース、ギターだけ。たぶんシーケンスもシンセも使わず、この4人の音だけで全曲鳴らすんだろう。どう考えても音は薄くなるわけだが、この潔さこそローゼズの再結成なんだよ。
大復活のレニがハットを鳴らし、プライマル帰りのマニが耳馴染みのあるベースラインを弾き始める。あぁ、この2人のリズム隊を待っていたのだ!そしてジョンが即興的にギターソロを被せてくる。一つ一つのフレーズがセンス抜群。やっぱりUKロックギタリスト最後の砦はジョン・スクワイアだよ。そしてそして、ジョンもマニのレニも一丸となってあの曲のリフレインを奏で始める。観客が待ってましたとばかりにイントロから大合唱する。その状況に乗っかるようにイアンが「I don't have to sell my soul. He's already in me 」と世紀のアンセムを歌い始めると、割れんばかりの大合唱が始まる。当然自分も声を張り裂けるように歌う。そう、この瞬間をずーっと待っていたのだ!
紛れもないローゼズのサウンドだった。Fools Goldでのレニの手が4本あるようなファンク・リズムは壮絶だったし、Love Spreadsのジョンは「ローゼズが解散しなければ、現代のギターヒーローとして君臨してたろうな」と思わせるくらい、王道的なギターサウンドを全然古くない音で鳴らしていた。マニは完全なグルーヴメーカーだったし、何度も息を大きく吸い込みながら「この場が信じられない」みたいな喜びの顔をしてたから、祈願達成を一番の噛み締めてるのはマニなのかもしれない。そして、Suger Spun Sisterを演奏し終わった後にイアンが一言「いい曲だな」と言ったのにはジンと来たなぁ。それと同じくらいTen Storey Love Songは名曲だったなぁ。
途中、リズムが噛み合わないところも多かったし、バンドの音が渾然一体にならないのは16年以上のブランクからか。でもそれは来年出るであろう新曲・新作を経れば解決することだと思う。
そんな思いも終盤、Made of stone〜This is the one〜She bangs the drumsと、1stのアンセムを連発されると吹き飛んでしまう。もう至福の時。何度も書くけど、この日本で大ラスナンバーであり、皆が待っていた大団円であるI am the resurrectionを大合唱できるなんて、本当に夢のようなことだ。凄まじく素晴らしい瞬間だった。
ステージがすべて終わり、苗場の山にボブ・マーレィのRedemption Songがこだまする。もう最高。最後まで至福の時。
そんな夢の時間も終えて、ヘトヘトになりながら深夜の会場をあとにしたわけだけど、バス発車所までの道のりのキツイこと。狭い山路をうん万人が歩いて行くっていうのに、道のど真ん中にレジャーシート広げて頑として動かないグループがいたり、なんかねぇ、困ったもんだね。あの時はローゼズの多好感に包まれてたからスルーしたけど、今にして思えば、ああいうことはやっちゃいけないよ。
では最後に、ストーンローゼズのセットリストをまとめておきます。アートワークをクリックすると曲が試聴できて、曲名をクリックするとiTunes Storeへジャンプします。