行ってきたのは国際フォーラム。Epi.1、Epi.2とここで試写を見ているんで、今回もなんとしてでもってところで四方八方手を尽くして(So-net 中野さんに感謝!)、昼の部に潜り込みました。席はかなり上のほうだったけど、そんなこと関係なし。
の青文字が出た瞬間でオールOK。今回はDLP(というデジタルプロジェクタ)による上映なんで、映像がすごく奇麗。Epi.2もDLPで観ましたが、映像の質はあの時よりも上がっているんじゃないだろうか。しかーし、昼の部では上映半ばにしてDLPにトラブルが発生。10秒くらい暗転したままになり、そのあとでシーンを繰り返す形で映像が現れたんだけど、明らかに質がガタ落ち。つまりフィルムに変わっていたんですね。フィルム交換の直前にパっと出ては消える黒丸が見えたときには、完全に興ざめでした。
でも、裏方さんは大慌てだったろうな。10秒程度でフィルムに切り替えられたってことは、保険としてフィルムも同時に回していたってことなんでしょうね。
…と、それは置いておいて、映画作品としてどうだったかというと、語るべきエピソードが多すぎる感じもありながら、あっさりとした脚本と編集で上手く見せたかな、というのが第一印象。今のルーカスは、映像、音声、脚本、編集含め、ストーリーテラーとしてはとても上手いディレクターだと思います。まあ、確かにあっさりし過ぎなところもあり、たとえばアナキンがダークサイドに堕ちる瞬間の心理描写なんかも、Epi.3だけを観ている人(そんな人いるとは思えないけど)には「?」って感じになるかも。ここの部分は今後、いろんなところで叩かれると思うけど、もともとスターウォーズってそういう映画なんです。気にしないでください、というのが個人的な意見です。映画を観て「あれってどういうこと?」と疑問にもったところを補う、膨大な情報が世界中に点在しているのがスターウォーズなので、そこを探求する気力と理力があるかないかで、この映画のハマり度合いが変わってきます。
Epi.4〜6、DVDでリメイクしたところも含めて、さまざまな伏線が張られていたのが一応すべて謎解きされたのは、フリークにとっては嬉しいところ。もっとも最近に張られた伏線である、Epi.6 DVD版の最後で、霊体になったアナキンがEpi.3時代のヘイデン・クリステンセンに差し変わっている部分については、Epi.3のラストにヨーダがオビ・ワンに言う新たな修業、これとリンクさせると納得がいきます。っつーか、アナキンにとっては最大の皮肉じゃないか。死をもコントロールしたいがためにシスに堕ちたアナキン。でも堕ちる前にすでにその能力を持っていた…。皮肉だよねえ。
そんなわけで、書き始めると止まらなくなる勢いですが、今日はここまで。今週末から先々行、先行、本上映と続いていくので、まずはそこをしっかり押さえていきましょう。あ、そうそう。実はこの数週間、うちのMacのハードディスクにはEpi.3が眠っていたが、劇場で観るまでは安易にダークサイドに堕ちるわけにはいかない。ルークになるか、アナキンになるかということで葛藤が続いてましたが、とりあえず今日この日まで誘惑に負けないでやってきました。そんな私はジェダイのまま、いつこの封印を解いてもよろしいのでしょうか?
■付録:本日の面白ムービー
クローントルーパー・オーケストラ
Revenge Of The Brick
ビハインド・ザ・シーン(ナレーションはマーク・ハミル)
このムービー、すべてLEGO(とCG)なんです。
Episode.3、面白そうですね。僕も近所の映画館にやってきたらレイトショーで見に行く予定。
ところで、↓今回は配給会社もシスだらけらしい(笑
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20050611
そうそう、この検閲されたって話題は2ちゃんでも読みました。今、初めて元原稿と校正指示を見ましたが、赤入れられても仕方がないような、どうしようもない文章だなあ。「政治的な部分をカット」されたことに腹立てているようだけど、文中の該当箇所は本当にお前の意見なのかと小一時間ほど問い詰めたい。さらにルーカスは、Epi.3がナポレオンやヒトラーに重なる部分はあるが、それと現代のブッシュは明らかに違うって言っているし。
昔編集、今メーカーのマーケにいる立場として考えると、PRがネガティブな表現に赤入れするのは当然の行為。それにそのまま従うか無視するかは編集の判断。でも、今回は直さないとポジを貸さないって立場のようなので、それはマズイだろ>FOX
「反ブッシュ」という面に関しては、「Epi.III が反ブッシュなのではなく、今の世相が Epi.III を反ブッシュ的なものであるように見せてしまっているのだ」という論があって「なるほど」と思ったり。イラク開戦への流れからフリーダム・ポテトとかいった話について、アメリカの中でも何か気持ちの悪いものを感じてた人がいた、ってことなんでしょうね。
ところでこれがマジネタだったりするとちょっと面白いかも。
「いくらネガティブな表現書いたからって、ポジ貸さない、ってのはひどかないですか?!」
「我々はシスですから」
と帝国的大本営発表的広報を強制するのであった…なんちて。
>> 「いくらネガティブな表現書いたからって、ポジ貸さない、ってのはひどかないですか?!」
>>「我々はシスですから」
この後に是非「いかにもシスの発想だな」と加えるとベスト、ってEpi.3ネタでした。スミマセン。
あと、上のURLのページ、たくさん付いているコメントを読むと、凄いね。皆「町山マンセー、FOXサイテー」って感じで、この手の群衆心理こそ一番タチが悪いんだろがー。Epi.3の中でパルパティーン(というかその時点ではもうダースシディアス)が帝国軍の樹立を宣言して拍手喝采を浴びるシーンがあるんだけど、その場面での居心地の悪さと同じものを、上のブログで感じました orz
「検閲」というこの場合強すぎる言葉の力がそういったコメントを呼び込んでいるのかと。本来、ライターの文章を編集が直すことなんてのは検閲でも何でもないハズなんですよね…。
PSP 問題を見ていても思いましたが、「大きな力を持つものによる印象操作」を極端に嫌う風潮がさらに後押ししているのかもしれません。
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