音楽専用機のiPodには安楽死が待っている
http://jp.techcrunch.com/archives/20090721the-ipod-as-we-know-it-is-dying/
"今日(米国時間7/21)の四半期決算報告でAppleのCFO Peter Oppenheimerは、同社のいわゆる"ポケット製品"について詳しく説明した。ポケット製品とは、現状では、iPhone、iPod touch、そしてiPodだ。まず、AppleがiPod touchをiPodとは別の製品ラインと見なしていることに注目しよう。それも当然で、今のiPod touchはiPhoneの弟と言ったほうが早い。しかしiPodを別扱いにするもう一つの理由は、それが今、ご臨終を迎えているからだ"
そう。前クォーターの業績発表を見て気になったのが、iPodの出荷台数。前期および前年同期と比べて両方とも減少となった。ホリデーシーズン後に短期的に落ち込むことはあっても、前年同期比で減少というのは今まで無かったんじゃないかな?
この記事では、今まさにご臨終を迎えているような早急な書き方をしているけど、初代iPodの延長線上にあるプロダクトは、何だかんだあと2年くらいブラッシュアップが続くと思う。あと2年と言えば2011年。つまりiPodが登場してから丁度10年となる。膨大な数を市場に投入したコモディティ製品としては、10年はよくもったほうだと思うけど、それでもやっぱり10年くらいで商品としての革新が途絶えるんだと思うと、いささか早い気もする。もちろんiPodがまったく売れなくなるわけでもないし、誰も見向きもしなくなるわけでもない。ただ、新機軸を打ち出しても、それほどインパクトを出せないとAppleが判断したら、その時が製品寿命なんだろう。うん、あと2年ってとこかな。
iPodが完全にマーケットを掌握したのがiPod nanoが出た後だとすると、2006年。つまり5年かかったことになる。マーケットを形成し掌握するまでに5年。そこからはしばらくは唯我独尊だけど5年で寿命を迎える。このサイクルの中で途切れなく利益を確保していくためには、5年毎に次の主力商品となるべく種を市場に蒔かないといけない。そう考えると2007年にiPhoneが出てきたのも合点がいく。
iPhoneは常にネットに接続された小型コンピューターなので、処理速度や容量のアップは絶えず求められるだろうし、何よりもソフトウェアやWebサービスがダイレクトに製品の魅力に繋がるわけで、iPodよりも糊代は大きい。そういう意味では25年続いているMacに似ているとも言える。でも、デバイスの特性がMacよりも明確な分、成長サイクルも速くなるだろう。......と、そんなこと明々白々な事実じゃんって言われればそれまでだが、こうしたことを改めて思うと大変なゲームを続けているなあって感心してしまうわけで。
一方、今後のWebサービスはこうしたデバイスの特性に大きく影響を受けていくとも思うんですね。iPodがあるからiTunes Storeが生まれたとか、iPhoneがTwitterの役割を明確にしたように。今までのサービスはPC前提であり、それはGoogleやFacebookで極まった観がある。で、今後はしっかりした表現力と操作性をもち、ネットに接続することを前提とし、人が何らかの情報を得たいと思うシチュエーションやそのニーズに応じたさまざまなデバイスが出てくるでしょう。テレビにアドオンするとか、車載専用とか。そしてWebサービスもそういったデバイスを前提にして、シチュエーションとコンテキストに応じたサービスが面白がられるようになると思う。まあ、これはあくまで予想だけどね。自分はそれが面白いと思うわけ。
こういう妄想を働かせると、大抵は最終的な答えに辿り着く前に思考は拡散し、分断してしまうんだけど、「そうしたデバイス等は、人のそばを離れることはない」という一点を碇のように思考の海に落としておけば、そうそうは流されない。つまり、人と共に移動するサービスを作ればいいじゃんってことを、この1年ばかり本気で考えていたりする。
【追記】
2009/8/1
最近、Appleのタブレットがそろそろ発表というニュースをよく見ますね。そこで、いつもの妄想をフルに働かせて正体を考えてみました。
この妄想のキモは、HTML 5 & CSS 3でできたものを単なるWebページ+αだと想像してしまうと、途端にしょぼくなるけど、完全なメディアマッシュアップや、アプリが作れちゃうんだからスゴイ。
コメント