日々、いろいろなアプリケーションが出てくるおかげで、iPhoneの使い勝手がどんどん上がっていくのが本当に楽しい。なんでもいいから作ったらすぐにApp Storeへ...っていう風潮の中、マトモに動作しないような不届きなアプリも多いけど、玉石混合の中から玉が見つかると、それだけでiPhoneの価値がグンと上がるわけです。
今までもそんなアプリはいろいろあって、Twinkleはもはや、無いとつまらなくて死んじゃいそうってものになっているし、先日は待ち合わせしていた人とPalringoでチャットしながら「お、突如の豪雨」「まじ?」「ちょっと場所を変更しよう」なんてリアルタイムで会話してですね、乗換案内で電車の時間調べたりするなんてこともやりました。そして当然、NetShare。こいつのおかげさまでイーモバイルを最低料金のプランまで下げるに至りました。
まあ、携帯電話にこれほどのことを求めたり、携帯電話でこういう使い方をする人は多数派じゃないと思いますよ。ただね、フェンシングの男子フルーレ個人で銀メダルを獲った太田選手は、対戦相手の映像をiPodに入れてイメトレしていたって言うじゃないですか。道具って他人には思いも寄らない、自分だけの創意工夫を探求してこそ、結果幸せになれると思うんですよ。
そして本日、またひとつ幸せにしてくれるアプリが目の前に登場しました。「Simplify Media」ってやつです。これは何かというと、自宅にある音楽ライブラリを全部、ネットを通じてiPhoneで再生できるようにするアプリです。
16GBのiPhoneに2,000曲を入れてますが、自宅のライブラリには11,000曲以上あります。容量にして60GB。たとえ年末とかに32GBのiPhoneが出たとしても全然足りない。64GBのiPod touchが出れば足りるかもしれないけど、ライブラリが64GBを超えるなんてすぐです。結局はHDDモデルでないと本当の幸せは得られない。でもSimplify Mediaを使うことで、3G回線にさえ繋がっていれば、自宅のライブラリに入った曲をすべて再生できるわけです。
そもそも外出先でそんなに音楽を聴くのか?と思われる方もいるでしょう。ええ、外で11,000曲を聴くなんて全くナンセンス。んなことできるわけがない。ただ、電車とかに乗っていてフと聴きたくなる曲が出てきたときに、それがiPhoneに入っていないのが、すごいストレスなんです。飲み屋で音楽談義しているときに「おーおー、それってこの曲だろ」とすぐに再生させたいのにiPhoneに入っていないことが、すっっごいストレスなわけです。それもSimplify Mediaがあればオールクリア。問題なっしんぐ。
Simplify Mediaの使い方は、まずPC(Mac/Win/Linux)用のアプリを落とします。インストールして起動すると、最初にアカウントを作れと言われるので作ります。次にiTunesライブラリを共有するか、Musicフォルダを共有するか選びます。iTunesライブラリにしておけばOKで、なおかつiTunesを起動しておくこともありません。設定が済めばPC版のSimplify Mediaは、iTunesのライブラリ情報をせっせとサーバに更新します。
次にApp StoreからiPhone用のアプリを落とします。iPhoneにインストールが済むとユーザー名とパスワードを入力する画面になるので、さきほどPC側で登録した内容をiPhoneにも入れておきます。これだけで完了。iPhoneがサーバを経由して自宅のSimplify Mediaと接続し、あとは曲を聴き放題。...ただ最初はまったくうまく繋がらずウンともスンとも言いませんでして、メーカーにフィードバックしたところ、すぐに簡単な英文メールが届きまして、サーバ側で問題があったそうですが、今はもう直っているみたいです。
パフォーマンスについては、十分にバッファしてからの再生となるので、スタートには時間がかかります...が、音質は何も問題なし。曲を再生している最中に裏で次の曲のバッファをやっているので、曲毎に再生が止まるってこともなし(さすがにギャップレス再生はムリだけど)。
そんな幸せ過ぎるアプリですが、ひとつ難があるとするならば、Simplify Mediaが...というよりもiPhoneのインターフェイスに問題ありでして、11,000曲を指でスクロールして曲を探すのは相当疲れる。画面右側にアルファベットの頭出しができるようになっているけど、それでも先頭が「T」の曲なんて何曲あるか分からないわけで、ここにiPhoneインターフェイスの限界を見ました。そしてiPodのスクロールホイールの秀逸さが際だつわけです。iPhoneでも曲リスト表示時に、指で円を描けばスクロールできるようにすればいいのに。
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