今回カタログ化されたのは、2000年以降にリマスター化されたオリジナル作品と、同じく2000年以降にリリースされた企画モノが中心。詳しくはKoyaさんの「CloseBox and OpenPod」で解説されています。「ヌートピア国際賛歌」を取り上げるあたりは、さすがです。
2000年以降にリリースされた音源が中心なので、僕のジョンレノン入門盤だった『Saved Fish』がなかったりします。もちろん近年、怒濤のベスト盤攻勢としてリリースされた『Lennon Legend』『Working Class Hero』『Acoustic』などで、代表曲はほぼ網羅されているから大きな問題ではないかも知れないですね。現時点(2007/8/15)では、USでは扱っているけど日本では売られていない作品も結構ありますが、この差違も後数週間で解消されるでしょう。
このように一般人向けには、充実したジョンレノン作品のカタログ化と言っていいと思います。一方、マニア向けとして見ると少々残念なところもあるわけです。たとえば『Sometime In New York City』には、フランクザッパやクラプトンとのジャムセッション音源が収録されていません。これは2000年代リマスター音源として再発された際にオミットされて、iTunesでもそのまんまってことですね。たぶんオリジナルでは作品1枚+オマケ1枚だったので、再発時にはそのオマケが外されたわけですが、iTunesは物理的な制約が無いんだから復活してほしかった。
あと、実質的な1stソロ作品である『Plastic Ono Band』(通称、ジョンの魂)以前にリリースされた『Two Virgin』などの前衛音楽アルバムはカタログ化されていません。まあ、ジョンレノン・マーケティング的にはある意味正しい判断なのかも知れませんが、CDでも再発される気配が無いので、これで絶版!? そう考えると、ひっそりとでいいからiTunes Storeに入っていてほしい。
なんだかんだいっても祝! ジョンレノンのカタログ追加! ということなのです。個人的にはオリジナルアルバムのリマスター盤をほとんど持っているので、今回はご祝儀として『Sometime In New York City』を購入。2005年にリマスター盤が再発されてたんだけど、CCCDの一件がくすぶっていた時期だったのと、オノヨーコの色合いが濃いアルバムなのと、前述のジャムセッションがないってことで買うのに躊躇しちゃったんですね。iTunes Storeなら256KbpsのDRMフリーで1,500円、安い!! って感じなので、良い買い物でした。
他のベスト盤も何枚か買っとくかと適当に試聴したところ、なんとiTunesさん、曲名と再生される音楽が合っていないんですよ。違う曲が流れるんですね。iTunesってね、カタログ追加されたばかり時には何かしらこういう不具合があるんですよ。おーい、ふざけんな!って感じですが、2〜3日もすれば修正されているだろうから、今回は1枚だけ購入。
あとビックリするのが、CD 4枚組のボックスセットだった『Anthology』(1998年)が49.95ドル(6,000円弱)で売っているんです。これ、1998年当時に買った時は1万円したんだよな、たしか。もちろんこのセットは、iTunesでは手に入らないボックスとかブックレットが貴重なんですけどね。でも、もう廃盤しているし、あの貴重な音源の数々が手ごろな値段で買えるのは、やっぱり良いことです。
この調子で「Lost Lennon Tapes」もカタログ化してくれないかな…。