昨日、無事全9話を見終わりました。北海道は札幌にいるどうバカ師匠のI氏が毎木曜日に速達で東京にDVD(デーブイデー)を送ってくれて、金曜日には最高画質で楽しめるという、何とも幸せな体験が9週に渡って続きました。その都度CMをカットしてiTunesに蓄え、iPodに転送し、さらに間もなく来るであろうApple TVのために整理もしております。CMカットした全9話はDVD(デーブイデー)2枚にまとめ、これから通しで見ようかな、と。
9週に渡る旅をGoogleマップにまとめてみました。暇などうヲタと思われるかもしれないけど、そんなに面倒くさくないのよ。やり方はこちらで紹介しているから皆さんもどうぞ。ちなみにInternet Explorerだとなぜか経路が表示されないみたいなんで、Firefoxで見てください。
今回、最初に気がつく番組の変化として、「いろんなものを封印したな」と見ていて分かります。冒頭の騙しなし。伏線もなし。番組中盤〜後半の急な方向転換もなし。細かいところでも、飛行機のシーンなし。食事のシーンも少ないし、夜のホテルで一日を振り返るのは意図的なまでに封印。旅にアクセントをつけるイベントもなく、ひたすら車で走るだけ。ひたすらトークで引っ張るだけ。
もっと驚くのは、旅の途中で出会ったであろう人たちすら出てこない。もう完全に4人だけの世界になっている。公式のウラにも書いてあるけど、思えばレギュラー放送をしているときから、ある時を境に4人以外が常にフレームインしているんだよね。4人だけで作られたのって思い返せば「リヤカーで喜界島」まで遡るわけで、それってどうでしょう後半戦のオープニングじゃないか。なんの理由か知らないけれど、ここで一旦4人だけで番組を作りたいと思ったんじゃないですかね。しかも、さまざまなお約束を無理やりにでも封印して。こうなると番組の良さをどこで出すかってことになるけど、見終わってみると、なるほど「旅のカリスマによる、ワンランク上の旅の提案」だったというわけ。
今回は見ていて、いい旅しているな、と思いますよ。巡る場所も北欧なんかと比べ物にならないくらい良いしね。思い切り笑えるってわけじゃないけど、見ていて心地よい。これがすべて事前にオーガナイズされた旅だとすると、ここまで心地よくならないし、それこそ今のどうでしょうに宮崎シーガイアみたいなのは求めないわけで、今回くらい気ままで、かつ機転を利かした旅を見ていると、いいなあ、羨ましいなあ、と思うわけです。大ラスなんて、車であと数時間走れば本来のゴールに着くはずなのに、あそこで終わらしちゃう気楽さ。ガツガツよりグダグダ。一切のストレスを感じない番組作りは、素晴らしいなと。
2ちゃんあたりでは、面白くない、もう終わった、大泉さんが売れたから番組に対する意識が変わった、ディレクター陣の怠慢だ、自己中だ、ミスターは番組にすら参加していない……なんて意見が多勢を占めているけど、俯瞰して眺めると、皆さん実はToo Muchを求めているのが分かる。もっとキツク、もっと笑いをってね。しかし、太く短くではなく、細く長く行こうと思うと、あらゆるToo Muchは禁物。消費者なんて、口に入れて刺激が強ければ強いほど喜び、飽きたらペって捨てて違う味を求めるもの。かつて一世を風靡し、誰からも時代の寵児だって言われていた人たちも、ちょっと旬が過ぎると「あ、そんな人もいたね、懐かしいね」と吐いて捨てられるわけです。目に見える勢いがなくなっても、実はより勢いづいているって状態こそが、長く続けていく最強の状態。ボクはこの12年で、そのことを教えられました。どうでしょうも10年目にして、それを実践し始めているんだな、とよく分かります。
さて、来週21日は西表DVD(デーブイデー)だ。……文章にすると、繰り返しネタは面白くならずウザくなる一方だな…。