その道のプロな方々が力及ばずで下手を打ったりすると、周りのギャラリーは「しっかりやれよ!」と檄を飛ばす。これは昔むかしからよくある話。たぶんこれから先も消えることない、たわいもない話。…で、その都度、擁護派な方々はこう言って論点を曲げる。「じゃあ、てめえがやってみろよ」
今の日本代表に対してもこういった橋にも棒にも掛からない議論が全国津々浦々で行われていると思う。けど、「じゃあ、てめえがやってみろよ」っていう擁護は無いよ。そんなのナンセンスの極み。いや、聞こえはいいよ。「オレはやつらの辛さやプレッシャーをよく分かっているさ」って暗にアピールできるしね。でも、でもだよ。「じゃあ、てめえがやってみろよ」って言った瞬間、その道のプロな方々を「てめえ」と同じレベルにまで陥れていることに気がついているのかね。
日本代表の場合は「てめえ」や「おれ」のレベルじゃなく、ドイツやイングランドやブラジル代表と同じレベルで見ないといけないわけじゃない? 当の本人達がそれを望んでいるわけじゃない? だとすると、後半で体力がバテるのは、やっぱまだ弱いってことだよね。クロアチア戦の後で、報道陣が中田に「あのコンディションの中で実力を発揮できなかったのでは」と聞いて、中田は「クロアチアだって同じ環境下で戦っているんだから、条件は同じ。言い訳にもならない」という主旨の発言をしていたけど、まさにそのとおりだしょ。
「いやあ、クラプトンのソロ、最近覇気に欠けるなあ」
「じゃあ、お前が弾いてみろよ」
「大友克洋ってマンガは最高だけど、映画はイマイチだな」
「じゃあ、お前が作ってみろよ」
「オアシスのノエルとローワン・アトキンソンって激似だよね」
「じゃあ、お前も似てみろよ」
…ね、こうして見ると、なんとも幼稚な感じがするでしょ。
そんなわけで、日本代表にはもっと高みへ昇ってほしいわけですよ。I'm gonna keep on tryin 'til I reach my Higher Groundってなわけですよ。
でも、ジーコが言ったあの言葉は、ホントの本音だろうね。勝利よりも目先の経済効果のほうが大事っつーことかよ、日本人。