いったい誰の誕生日プレゼントなのか? それはここでは明かさないでおきましょ。分かる人には分かるはず。ヒントは3.13。もももももう、これだけ言えば十分でしょ。
そもそもの計画スタートは2月22日、仲間内で「そろそろ3.13だねー」「そうだねー」「今年は何をやろうかねー」「んだねえ」なんてゆるーい会話をiChatでしていたわけです。毎年それなりに趣向をこらしたり、力を入れたり、ちょっと外してみたりと、その時々のモードにピッタリの企画を考えてきた経緯もあり、今年はどういうモードかなあって考えながら話していたところ「今年はバーチャルとリアルを繋げてみない?」という意見が出ましたよ。ほう、それは面白い! 今まではWeb上で何を作るか、どう見せるかってことを一生懸命考えていたけど、やっぱりプレゼントというのは手で渡されて嬉しいものが一番。毎年のパターンとして皆さんからメッセージを募集するのはいいとして、それが形あるモノとして結実するのは、なかなか凄いことじゃないだろうか。
じゃあ何を作るか。たくさんあつまったメッセージをひとつにするといっても、その形はさまざま。喧々諤々の意見が飛び交いつつ、なんとなくひとつに集約されていきます。インターネットで集まるメッセージもさまざまな形があり、テキストもあれば、写真、グラフィックス、サウンド、さすがにムービーやアニメはないか。そういった多種多様なフォーマットをひとつのパッケージにする。……分かる人は、もう分かったでしょ? そう「あれ」ですよ。
実現に向けて協議するなか、いくつか問題点が洗い出されましてですね、そこで「今年も時間がないなー!」と思ったわけです。毎年こうなんですが、来年こそは早く企画を決めて動こうって、これまたリアルに感じましたよ。まず、募集期間。後工程のスケジュールを算出すると、かなり時間がない。その分のしわ寄せを投稿者に押し付けてしまうのは本当に申し訳ない。でも結果的にはたった2日の募集期間でたくさんのメッセージが集まりました。いやあ、素晴らしい! 来年はもっと早くから動くからね。皆さんも年明けくらいから準備しておいてくださいね。
次に制作期間。これは実質5日くらいしかない。その限られた時間の中で、最終形をどういうものにするか喧々諤々とありましたが、集まったメッセージを紙にまとめるってことで印刷・製本という工程は必須。最近はオンデマンドプリントの精度も向上したおかげで、少部数印刷のコストもだいぶ下がりましたが、今回作るのはたった一部。街のプリントショップに問い合わせても一部となると効率悪いようだし、製本なんかも簡易製本くらいしか用意されていない。それでもいいんじゃない? って意見もありましたが、僕は仕上がりだけはビシーっとしておきたいと思いましてですね、印刷会社を営む友人のS氏に助けを乞うたわけです。
まず制作期間がほとんどない中で、いったいどういうモノを作るのが現実的なのか。「あれ」を今、自分たちの手で形にしてみたいって欲求はあれど、このタイミングでそれを押し通すのは難しい。原価だって30万くらいかかりそうな勢いだし、メッセージがどれくらい集まるものかなど、不確定要素が多すぎる。
S氏との打ち合わせは新宿の居酒屋だったもんで、いい感じで酒も回ってきて、頭が柔軟(と書いてヘロヘロと言う)になりはじめた頃、S氏が「CDの形なんかもお洒落じゃない?」と仰りまして、それならブックレットを一部作ればいいわけだし、だったら空き時間に印刷して、製本屋にお願いして作業してもらえれば2〜3日*でできるという。おおお、有り難いお話! 普段から慣れ親しんだCDの形でお返しができるってストーリーか。それは美しい。
生産ラインは確保しました。使う紙も、紙見本帳をペラペラ眺めながら想定している最終形に合わせてチョイスしました。今回は名前が良いってことで「ニューエイジ」というマットコート紙を使うことにしたのですが、これって市販CDのブックレットなんかにもよく使われる紙なんですね。デザイナーのK氏に言ったところ「あ、大丈夫です。使い慣れてます」と頼もしいお言葉。
今日はここまで! Part. 2へ続く
* 普通じゃ3日なんて無理ですよ。なんていっても一部生産ですから。普通じゃコストも跳ね上がるし、お金を払ったとしても一週間はかかるかと思いますよ。