90'sのストロングタイプもカッコよかったけど、なんか肩の力が入りすぎーって印象が強かった。でも、今回の新作「A Bigger Bang」は、ゴリゴリのロックはもとより、R&B、ブルーズ、バラッド、どれをとっても良い。まずメロディがたっていて、演奏もメンバーが鳴らす音だけが絡み合っている感じ。かつ、チャーリーのドラムが素晴らしい。ほんと、癌だったの? と思ってしまうほど。
Stonesの面白いところって、チャーリーが素晴らしいドラムを叩くと、自然とキースのギターが活き活きしてくる。そうなるとロンウッドは的確なプレイをして、結果ミックのボーカルが際立ってくる。結局、バンドを生かすも殺すもチャーリー次第っていうのがStonesなんだと思う。もちろん、今までの作品どれもチャーリーは見事なドラムを叩いているんだけど、今回のは以前にも増して生々しさに溢れている分、バンドとしての音がタイト。ジャガー&リチャードってもともとは素朴で良い曲を作るソングライターチームなので、今回はその良い部分が満喫できるアルバムです。
同時にポールマッカートニーの新作「Chaos And Creation In The Back Yard」も買ったんだけど、うーん…。こっちも非常に素朴で、良質なメロディに溢れたアルバムに仕上がっているけど、これが聴きたかったかというと、そうでもないんだよなあ。手癖で作った感じの曲が多いというか。別にBeatlesやWings時代のアレを期待しているってわけじゃないんだけど、例えばブライアンウィルソンはSMILEを引っ張り出してまで、自分にしかできないサウンドを頑張って作っている。Stonesもそう。だからポールにも、思わず脱帽っていう作品を期待しちゃうんですよね。