Today's BGM:
Crumbs From Your Table from the album "How To Dismantle An Atomic Bomb" by U2
Mac miniが出たことで、「んじゃま、とりあえずMacでも買ってみるかー」というカジュアル購入層が一気に増えそうだ。Mac miniの良いところは、お店で5万ちょっと払えば、その場でお持ち帰り。しかも片手でヒョイヒョイっと持ち帰れてしまう。コンピュータ本体を買ったと知れたらタダじゃ済まない家庭であっても、Mac miniであれば、奥さんに「まーたパソコンの周辺機器買ってきたの?」と呆れられるくらいで終わるかもしれない。これはコンピュータマーケットを形成してきた歴史を紐解いて考察した際に、大変意義深いことだと思う(ことにしよう)。
さて、Mac mini。価格もプロセッサスピードも申し分ないが、心もとないのは搭載メモリである。Mac miniの本体を裏返すと、本体の淵に無数の吸引口があるのだが、これが全部ツメになっていて、それを外さないと本体が開かない設計になっている。それなので特別な工具が必要になったり、無理矢理開けようとするとアルミの部分を傷つけたり、開けたことがバレるので保証対象外になったり…と散々な結果になりそう。そんなわけで、標準の256MBのまま買ってなんとか使い倒すか、早々にApple Storeでメモリ増設するか、ということになる(購入後にサービスプロバイダで増設というオプションもあるが、今のところは特に詳細なアナウンスなし)。
長い前振りのあとでようやく今日の本題。「果たしてMacは256MBで使い切ることができるのだろうか?」自宅にたまたまあったPowerBook G4のメモリが256MBだったので、この状態でのOSおよびアプリケーションのメモリ使用状態を調べてみた。
まず、これが初期状態。OSをインストールした直後なので、常駐プロセスなどは追加されていない。注目すべきは「空き」の容量と、「ページイン/アウト」の特にアウトのほう。「空き」はその名のとおりメモリの空き容量。ページアウトはメインメモリに納めるべきものをHDD(仮想記憶)にどけてある量のこと。初期状態では105MBも空きがあり、ページアウトは0。
手始めにWebブラウザのSafariを起動し、Yahoo!を表示したところ、実メモリとして16MB消費し、空き容量のそれに応じて減少。しかしまだ余裕があるためページングは発生していない。その後、2枚、3枚とSafariのウインドウを増やしていくと、Yahoo!であれば、その都度6MB程度の容量を使って表示していた。
続いてiTunesの場合。実メモリは25.6MBを消費するものの、音楽の再生であればこの程度で済む。CDからのリッピングの場合は、33MB。空きはまだ16MBほど残っていて、すべてはメインメモリ内で処理できている。
ここまでは割と優秀で、256MBでも使えるのか!? と驚きつつ、iPhotoを起動して3,000枚ほどある写真を表示してみると……
なんと使用量はいっきに165MB!! 当然メインメモリは食い潰し、膨大なページアウトが発生。iPhotoでもうこれか! と驚きつつ、実際に写真を大きくしたり小さくしたり、いろんな写真をスクロールして表示させたりしても、体感的にはそれほど重くなっていない。なるほど、これがMac OS Xの優秀なところか、と納得。
そうはいっても、RAMより断然遅いHDDに逃がしているってことは、ページングが大量に発生すると処理は当然遅くなる。HDDがガリガリ鳴りまくるので、精神衛生上もよくない。画像や映像など大きなデータを扱うアプリケーションは、その性質上、大量のメモリを確保する傾向にあるので、できれば大きなメモリ容量を確保しておいたほうがよいだろう。ちなみに、Photoshop CSは(画像を一切開かずに)114MB、Excelは43MB、IEは起動直後で23MBだった。
結論:メール、Web、iTunesなどを軽く使うレベルであれば、256MBでも遜色ない。メモリが足りないと動かないということもないし、低下した速度に対する体感も人それぞれ。操作していて動作が突っかかるのが許せない、せっかちな人は512MBに増設を。また、複数のアプリを一緒に立ち上げて何かしたり、制作系の作業をする場合も512MBは必要になるだろう。
じゃあ、1GBは? という人には、この画像を。うちのメインマシンは1.2GBだが、こんな状態になる。