ARカメラ、3D Map、ステッカー。Topo Card v1.7をApp Storeでリリースしました。

「場所にメモする」位置情報アプリケーションであるTopo Cardの最新バージョン、Topo Card v1.7をApp Storeでリリースしました。iPhone XとiOS 11へのさらなる最適化を行う一方、v1.7では「街の発見と共有」というテーマを設けて、「3Dマップによる街の遊覧飛行」「街にカードが浮かび上がるARカメラ」「iMessageでカードをステッカーにして送信」という新しい3つの機能を搭載しています。

App Storeでダウンロード
https://itunes.apple.com/jp/app/topo-card/id811683158?mt=8

パブリシティとしての文面はTopo Cardの公式ブログに掲載したので、こちらでは開発秘話(苦労話)をまとめてみました。

Topoツアー :3Dマップによる街の遊覧飛行

Topo Card:3Dマップによる街の遊覧飛行「Topoツアー」 from KenG on Vimeo.

TopoツアーはiOSの「マップ」にある「Flyover」にインスパイアされた機能です。Flyoverが限られた大都市の名所だけを巡るのに対して、TopoツアーはTopoでカードを作って公開すれば、どこでも誰でも遊覧船に乗ったみたいに空から街のカードを巡ることができるのです。ツアーが終わった後は不思議な満足感を体験できます。ぜひ自分の街のカードをたくさん公開して、みんなをツアーにお誘いください。

【開発秘話】
「Topoツアー」構想は実に1年以上に及ぶのです。きっかけは、水曜どうでしょう。札幌でどうでしょうのD陣を囲む飲み会に参加した友人が、D陣お二人にTopo Cardの宣伝をしてくれまして、その時に藤村Dは「ポケモンGOみたいなどうでしょうアプリを考えている」的なことを言っていたらしく、それを聞いた僕は「いやいやいやいや、どうでしょうならポケモンGOじゃないでしょ〜。自分がどうでしょうさんにピッタリの機能を実現してみせますよぉ」と一念発起して作ったのがTopoツアーの原型でした。「サイコロの旅」のように日本全国を右往左往する様子や、東京ウォーカーのような徒歩モノをiPhoneの画面内で表現するなら、ARじゃなく3Dマップだよね、そだね〜。単純な発想ですよ。

2017年の春には機能が実装できたので、プロモーションビデオを作り藤やんに送りましたが、放置されることうんカ月。痺れを切らして下北で開催されたどうでしょうイベントに出向きまして、タバコ休憩している藤やんに不意打ちのようにTopoを見せましたよ。そしたらちょっと褒めてくれたけど、すでにとある企業とアプリケーション開発が進んでいるようで、Topoの出番は無し。そんなこんなでTopoツアーの機能もそのまま放置してました。でもなんかこう…良いんですよ。実際に画面を見てると、どうでしょうの旅をフォローしているような妙な機微を感じる。バーチャルなんだけど、何か感じるものがある。

そこで、いつかβ版という形でもTopo Cardに組み込んでリリースしようと思ってまして、次に紹介するARカメラのこともあったので、「街の発見と共有」の一環としてv1.7に組み込んだ次第です。

Topo AR:街にカードが浮かび上がるARカメラ

Topo AR:街にカードが浮かび上がるARカメラ from KenG on Vimeo.

このARカメラでは、自分が立っている場所とカードが置かれた距離や方角がカメラを通じてきちんと可視化しますので、iPhoneを持ってグルっと一回りすると、遠くにあるカードは小さく見えますし、近くにあるものは大きく表示されます。それだとちょっと見づらい時もあるため、カードを拡大・縮小できるスライドバーが用意されています。また、浮かんでいるカードを指でずらして見やすく整理することもできます。映画「マイノリティレポート」な気分がちょっとだけ味わえます。

【開発秘話】
iOS 11にARKitが登場して、みんなこぞってARで何ができるか?のアイデア競争をスタートした。面白いものもあれば、ネタ的なものもある。その中でいくつか感心したものに共通するのが、AR表現の先にARを超える実体験が用意されているものだった。ARメジャー(巻尺)は発想こそ面白いけど精度が低すぎて実体験は伴わない。逆にIKEAの家具配置アプリケーションはARを入り口にして実体験まで繋がっていた(目の前にある本物のチェアを消す機能も欲しかったけど)。

Topo ARは、とにかくARの先にある体験をセットできないならやめちまおう、というくらいの緩い意気込みで始めて、実は未だ実験の域を出ていない。結局のところはセカイカメラという先駆者の二番煎じだし、セカイカメラが陥ったUI的な問題を回避するためにマイノリティレポート的な操作性を実装してみたけど、カードが増えるとたぶん早々に破綻するだろう。

でもまぁ、見た目は派手だし、使ってみると結構実用的な感じなので、プロモーショナルな機能として位置づけつつ、もう少しゆっくりと磨いていくつもり。


iMessageでカードをステッカーにして送信

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Topoで作ったカードは今までもTwitterやFacebook、Instagramなどでシェアすることができました。Topo Card v1.7ではTopo Cardから共有用に生成されるカード画像を完全に刷新し、さまざまなSNSのタイムラインでも見た目にインパクトのある情報を共有できるようにデザインしました。

この新しいカード画像はiMessageでステッカーとして送ることも可能になりました。iMessageの画面下にならぶアプリケーション一覧からTopo Cardを選ぶと、カードの一覧が表示されます。この一覧はTopo Cardのクリップボードに溜めておいたカードになります。クリップボードに無いカードでも検索すれば大丈夫。もちろんiMessageからTopo Card本体を立ち上げて新規にカードを作ることもできます。

こうして送信したTopoのカードステッカーを相手がタップすると、Webブラウザでカードにアクセスして、マップ情報や写真、テキスト、URLリンクなどを確認できます(もちろん相手もTopo Cardを使っていれば、カードはもっと便利に機能します)。

【開発秘話】
Topo Cardに含まれるエクステンションは、Watch App、Todayウィジェット、リッチ通知に加えて今回のiMessageステッカーAppで4つ目になる。Topo Card本体はほぼObjective-Cで組んでいるけど、これらのエクステンションはSwiftで組んでいる。そのため、本体側にある部品(クラス)をエクステンションでも使いたいとなる度にObjective-CからSwiftに書き直すため、予想以上に手間がかかって大変。じゃあいっそのこと全部Swiftに書き直せばって思うかもしれないけど、それは自分の仕事ではないと心に決めているので、Topo Cardにビジネスの芽が出ない以上は、今後もこの苦労を自分自身で味わっていくんだろうなあ、という悲哀。

この作業を通じて痛感するのが、やはり自分はエンジニアには向かないってこと。だって、Swiftだ、Objective-Cだ、WebではJavaScriptだっていろんな言語を使うと、何一つしっかり覚えられないんだから。GoogleとStack OverflowとQiitaがなきゃホントに苦労する。でも考えてみればギターのコードやフィギュアもポンポンと忘れるし、プログラムのコードも忘れるし、プロのギタリストにもなれなければエンジニアにもなれないね。ただただGoogle検索だけが上手くなっていく、という悲哀。

そうそう、Topo Cardで幾ばくかでも金を稼ぐ方法としてApp内課金があって、カードを複数人に送信する場合は240円払ってね!っというビジネスモデルなわけだけど、考えてみたらiMessageのステッカーに対応しちゃったらTopo Cardから複数人に送る必要ないじゃないの。。自分自身でビジネスの芽を潰してしまった、という最大の悲哀(爆)。