実際、地球温暖化については、なんかイヤな予感がしているんですよ。アル・ゴアの講演で指摘されている具体的な現象や気象データに基づいた予感ではないんですけど、今年の暖冬はエルニーニョのせいだっていうし、鳥インフルエンザだって温暖化が遠因なのかもしれないし。なんか自分の身の回りのレベルで手痛いしっぺ返しが起こるような、そんなイヤな予感がしているわけです。オビワン流に言えば「I've got a bad feeling about this」なわけです。
以下、映画「不都合な真実」を見終わった後の雑多な感想。こういうのはあまり理論立ててまとめないほうが良いと思うんでね、ホント雑多に行きますよ。
- ドキュメント映画の体裁を取っているけど、映画の9割はアル・ゴアによる講演の実録。なので、見終わった後は映画というより講演を聞きに行った感覚。
- 講義の主題を明確に伝えるために、地球環境の変化をセンセーショナルに見せ、さまざまなデータの中でインパクトの大きいものをピックアップしている。これは悪いことじゃないけど、余りにもセンセーショナルなので、観ている側の問題意識は一気に上がる。でもその分、冷めるのも速いんじゃないだろうか。映画で提示された環境変化やデータを冷静に受け止め、持続的に意識を高めることが必要。
- 「ロハス」、これが最先端の都市型ライフスタイル〜♪ なんて得意げに言っている人たちがたくさんいる。このサイトを見ても、「ロハス=のんびり」。じゃあ、その根底に危機感と、それに対処しようとする意識があるんだろうか?
- その一方で、じゃあ地球を守るために自然回帰的生活を送ればいいのか、と言われると、それは違う。「できることをやれ/できないことを無理にやるな/ただし、できないからといって意識から反らすな」
- 我々の生活を便利にし、経済を発展させる技術。これは決して「悪」ではないですよ。ただ、技術が向かう先を我々が正しく設定できるか。ここが重要。
- 京都議定書の意味をもう一度見直す時期じゃないか? 来年から目標期間が始まるということは、目標達成のための準備期間は今年で終了。グリーンエネルギーの選択など、個人や家庭レベルでできることがどれくらいあるか、今一度調べる必要がアリ。
- エンドロールで出てくる「私たちにできること(What you can do)」はとても重要。その中でも特に重要なのは、政治を変えようという意識。個人でできることもたくさんあるけど、社会システム全体で対処しないと劇的な効果は得られない。
- 公式サイトに掲載されている「私たちにできること(What you can do)」もとても重要。自分がそういった行動(些細なことであっても)をしていることを他人に話すのは、もっと重要。
- ゴアさんのスライドの作りや構成は見事。Keynoteを使いこなすという意味では、Steve Jobsなみ。まあ、お互いに見せあいっこしているかもしれませんが。
- 映画は2006年製作となっているけど、ゴアが使っているマシンはPowerBook G4。OSはMac OS X Tigerだったので、講演自体は2005年に行われていることが分かる。
…とまあ、いろいろと思うわけですが、やはり一番重要なのは「意識」と「行動」なんでしょうね。上にも書きましたが、行動するのが難しいから意識をも遮断してしまう、というのが一番タチが悪い。実際に社会貢献的なアクションが起こせなくても、日々の生活の中で、意識の隅っこにでも「今、ちょっとマズイ状況だよな」って思っていれば、タクシーを使いたいところを電車にしたり、食材の買い出しに行くときに、古いスーパー袋を持参していったり…なんてことにも気が回るわけです。それがどれくらい貢献しているのかって考えると、数値化すらできない程度でしょうけど、小さなさざ波が合わされば、やがて大きな波になるってことでね、無理せず頑張っていきましょうや。