Koyaさんとこのブログ「CloseBox and OpenPod」で昨年末に書かれたエントリー「エンジニアから見たビートルズサウンドの真実」。ここで紹介されている書籍「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実」(白夜書房)が面白そうだったので購入しました。いやあ、凄く面白い。これはかつて出た「ビートルズレコーディングセッション」─ ビートルズのレコーディングを全日記録した究極のデータベース本 ─ と一緒に熟読することオススメですね。
著者はジェフ・エメリック。EMI社員としてアビーロードスタジオに入り、まだ10代の頃に『Revolver』のオープニングセッションである「Tommorow Never Knows」からビートルズ・レコーディングにエンジニアとして参加していきなり本領発揮。『Sgt. Pepper's』ではエンジニアという立場でグラミーを獲得し、不毛の始まりだったホワイトアルバムのレコーディングに突入。どうやらゲットバック・セッションにも付き合わされ、『Abbey Road』で再度グラミーを獲得してます。
経歴も面白くて、EMIからビートルズが作ったApple Corpの一環であるレコーディング部門の長に転職。Apple Corp唯一の採算部門として仕事を切り盛りするものの、なんとリンゴにレコーディングスタジオごと奪われ(このエピソードは秀逸)、そのままジョージマーティンが待つエアスタジオへ。すると間もなくしてポールから電話があり『Band on the run』のレコーディングに参加します。なんでもポールはジェフと仕事をしたかったんだけど、Apple Corpに在籍している間は一切のコンタクトを避けていたんだそうで。当時のゴタゴタの中、ポールとしてはApple Corpとは関わりたくないってことだったんですね。いやあ、これもまた秀逸(?)なエピソード。
閑話休題。昨日flickrにアップされたネタであるbeatles shuffle。iPod shuffleは240曲入るので、ビートルズ全楽曲(213曲だっけ)は、あの小さなshuffleに丸ごと入ります。じゃあメンバー毎にサインが入っているのは何の意味? 普通に妄想すると、メンバーそれぞれの作曲曲にセパレートして、あとはソロも入れておけばいいじゃないかってことなんだけど、昨日も上に書いた本をパラパラと読み返していてフと気がついたわけですよ。『Sgt. Pepper's』は4トラック。そうか、それぞれのトラックをそれぞれのshuffleに入れて、再生ボタンを押したら4台が同期しながら再生されると。で、あるshuffleのボリュームを上げると、そのトラックだけ大きく聴こえると。うぉー、気分はもうジョージマーティン!!
ちなみにホワイトアルバムでは部分的に8トラックが導入され、『Abbey Road』では16トラックになっているので、そこまで楽しむとなると、全身いたるところにshuffleを付けて、なおかつケーブルで繋がないといけないのですが、そうした様子もまた、ビートルズ的だよ。…ね? マジック・アレクシス?